羽生善治三冠、タイトル通算100期へのカウントダウン
斎藤慎太郎七段が羽生善治棋聖に挑戦した第88期棋聖戦五番勝負は、羽生善治棋聖が第4局を制し、棋聖位を防衛しました。
その結果、羽生三冠の通算タイトル獲得数が98期になり、いよいよ今年度中のタイトル獲得100期が見えてきました。
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大山超えから5年
(画像:王位戦中継ブログより)
羽生三冠は今年の秋で47歳になりますが、2017年8月6日現在、棋聖・王位・王座のタイトルを保持しています。
同年代の棋士がタイトル争いから遠ざかり、A級からも落ちたりと苦戦している中、羽生三冠だけは別格の成績を残し続けています。
遡ること約30年、羽生三冠は19歳で竜王を獲得して以来、数多くのタイトルを取り続けてきました。
25歳のときには前人未到の七冠制覇を成し遂げ、現在の藤井聡太フィーバーにも劣らぬ社会現象となったとか。
30歳を過ぎ、同世代の追い上げや渡辺明竜王の台頭もありつつも、常に将棋界の第一人者で在り続けています。
20代の挑戦者たちとの戦い
(画像:棋聖戦中継ブログより)
40歳を過ぎ、普通なら全盛期の陰りを見せてくるはずですが、どういうわけか全く衰える気配がないのです。
2012年には棋聖戦で中村太一六段を相手に防衛し、大山康晴十五世名人の記録(通算80期)を塗り替えました。
その頃から、渡辺明竜王よりも下の世代との番勝負が増え始めましたが、2016年に名人を失った以外はほぼ問題にせず。
40歳半ばを迎えてもなお、自分よりも20歳前後年下の世代の棋士を相手に、互角以上に渡り合っています。
もっとも美しい100期到達のしかた
前述の通り、棋聖戦では防衛に成功した羽生三冠ですが、王位戦では菅井竜也七段を相手に2連敗で、防衛に黄色信号が点灯中。
王座戦は中村太一六段が挑戦者に決まり、9月5日に開幕します。
羽生三冠は2012年に棋聖戦、2013年に王座戦で中村六段と番勝負を戦い、いずれも退けています。
それらを鑑みて、仮に、王位を失冠し、王座を防衛したとすると、もっとも美しいタイトル100期達成のしかたが浮かび上がります。
現在挑戦者決定戦に勝ち進んでいる第30期竜王戦で挑戦者になり、渡辺竜王から奪取に成功すれば、奇跡としか言いようのない結末が実現します。
なんと、タイトル100期到達に加えて、悲願の永世七冠も同時に達成することになります。
もしも本当にそんなことが起これば、そのときは今度こそ・・・!
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