渡辺明棋王が第39回JT杯を制し、約4年ぶりの棋戦優勝!
2018/11/19
2018年11月18日(日)に行われた、第39回JT杯日本シリーズ決勝戦。
渡辺明棋王が菅井竜也七段を下し、第35回以来2度目の優勝を飾りました!
昨期は、竜王を失冠したりA級から落ちたりと、不本意な一年だった渡辺棋王。
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今期もなかなか目立った結果が出ていませんでしたが、ついにやってくれました!
渡辺明棋王、4年ぶり2度目のJT杯優勝!
耕)将棋日本シリーズJTプロ公式戦の決勝が行われ、渡辺明棋王が菅井竜也七段に114手で勝ち、2回目の優勝を飾りました。 pic.twitter.com/h4ISUEm7HW
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) November 18, 2018
菅井七段の先手中飛車穴熊に、渡辺棋王は2筋の位をとり、角を2四に据えて銀冠に組む、趣向を凝らした駒組みで対抗。
しかし、その工夫はイマイチ奏功せず、菅井七段に上手く捌かれてしまいます。
それでも渡辺棋王は、2筋を伸ばしていたことを活かし、先手の穴熊の上から襲いかかって攻めをつなげます。
桂馬を巧みに使って金銀四枚穴熊を切り崩し、馬も切り飛ばして食らいついたところで...、なんとモバイル中継がまさかのフリーズ!
モバイル中継更新停止中の逆転劇
90手目△2七歩の局面から、待てど暮らせど更新ボタンを押せど、指し手が更新されませんでした。
しばらくして、ようやく更新されたと思ったら、対局は終了していました。
しかも、「菅井七段が詰ましにいったものの後手玉は詰まず、渡辺棋王が逆転勝ち」するという、まさかの結末でした。
後に以降の棋譜を見ると、「これは是非ともリアルタイムで観たかった」と思わずにはいられない、見応えのある詰むや詰まざるやの応酬でした。
約4年間、棋戦優勝できていなかった渡辺明棋王
こうして渡辺棋王が見事、今年のJT杯を制し、自身の一般棋戦優勝回数が二桁の大台に乗った...のですが。
渡辺棋王が一般棋戦で優勝するのは、なんと2014年に銀河戦とJT杯で優勝して以来のことであり、実に約4年ぶりのことです。
改めて調べてみて、こんなにも長い間、棋戦優勝から遠ざかっていたのかと驚きました。
ついでにいうと、タイトル戦の挑戦者になった最も直近の機会は、2015年の竜王戦(糸谷哲郎竜王を下して竜王に復位したシリーズ)です。
以来、実に約3年間も挑戦者になれておらず、今年の夏に王座戦で久々に挑戦者決定戦まで勝ち上がりましたが、無念の敗退。
この度のJT杯優勝が、復活の狼煙となってくれることを期待しています。