渡辺明棋王の復権が懸かる、平成最後の王将戦&棋王戦
2023/04/02
2018年の将棋界は、「羽生善治竜王が通算100期を達成できるか?」が大きく注目されました。
それが潰えて年が明け、年度末の主役は渡辺明棋王であるといえます。
将棋界の冬の風物詩といえば、王将戦と棋王戦のWタイトル戦。
王将戦には挑戦者として、棋王戦には防衛の立場で、どちらも渡辺明棋王が登場します。
平成最後の王将&棋王戦には、渡辺明棋王の復権が懸かっているのです。
約3年ぶりに掴んだタイトル戦挑戦権
渡辺棋王は「挑戦者になることは考えてなかったです。後半星が伸びて、終盤になるにつれて内容が良くなり、うまい巡り合わせになりました」と挑戦権獲得を喜びました。2月から棋王防衛戦と並行した戦いですが、渡辺棋王は「何回かやっているので問題ないと思います」と話していました。 pic.twitter.com/pQ5Itw8P5r
— 毎日新聞・将棋 (@mainichi_shogi) December 3, 2018
2015年の竜王戦以来、約3年ぶりにタイトル挑戦権を獲得した渡辺棋王。
王将リーグで出だし1勝2敗ながら、その後3連勝して巻き返し、糸谷哲郎八段とのプレーオフをも制して挑戦権を獲得しました。
渡辺棋王と久保利明王将とのタイトル戦は、第36期棋王戦五番勝負(2010年度)以来のこと。
当時、最盛期に在った久保棋王(王将も併せ持つ二冠王)が、渡辺明竜王(当時26歳)の挑戦を退けたシリーズでした。
七番勝負の第1局は明日開幕します(日程→毎日新聞ニュースサイト)。
もし「王将」のタイトルが移った場合、なんと34歳の渡辺棋王自身がタイトル保持者の最年長棋士になります。
追記(2019/2/26)
渡辺明棋王が久保利明王将を4連勝で下し、5期ぶりに王将のタイトルに復位しました!
渡辺棋王の充実ぶりが盤上にそのまま反映されたような、まさに圧巻の強さでした。
→その強さ、まさに盤石! 渡辺明棋王が5期ぶりの王将復位で二冠王に復帰!
7連覇が懸かる棋王防衛戦
王将戦と平行して、2月からは保持する「棋王」の防衛戦も始まります。
現在棋王6連覇している渡辺棋王にとって、今年の五番勝負は7連覇を懸けたシリーズ。
- 第44期棋王戦五番勝負日程(棋王戦中継ブログ)
渡辺棋王といえば、「竜王」の代名詞のような存在ですが、そろそろ棋王についても同じようなことになるかもしれません。
しかし、防衛戦に強い渡辺棋王といえど、そうは問屋が卸さない。
挑戦者として迎えるは、「今現在の最強棋士」といっても過言ではないくらいに勝ちまくっている、広瀬章人竜王。
関連記事:『将棋史に残る激闘を制した男』 広瀬章人竜王が強すぎて強すぎる!
もうどちらが勝つのか全く見当もつきませんが、2018年度の終わりを飾るに相応しい激闘になるのは間違いありません。
復活が懸かったWタイトル戦
昨年度の渡辺棋王は、怖ろしいほどに奮いませんでした。
中学生棋士の先達が経験してきた『33歳の受難』が、渡辺棋王にも繰り返されたのです。
しかし、そこからズルズルと落ちるのではなく、立ち直るのも早いのもまた、中学生棋士たちの歴史です。
関連記事:歴史は繰り返された...! 渡辺明棋王、33歳の受難
竜王失冠&A級陥落の無念から約1年。
渡辺棋王にとって、その健在を示すための十二番勝負が始まります。