2018年度

その強さ、まさに盤石! 渡辺明棋王が5期ぶりの王将復位で二冠王に復帰!

2023/04/02

第68期王将戦七番勝負は、挑戦者の渡辺明棋王が久保利明王将を4連勝で下し、5期ぶりに復位しました。

2017年12月に竜王を失冠して以来の、二冠王への返り咲き!

現状、複数のタイトルを保持する棋士は、渡辺二冠の他には、豊島将之二冠(王位・棋聖)が存在するのみ。

やっぱり渡辺二冠には、タイトル争いの中心に居る姿がよく似合います。

渡辺棋王、圧巻のストレート奪取

この第68期王将戦七番勝負は、渡辺明棋王の充実ぶりが目立ったシリーズでした。

自然な指し手を積み重ねて、形勢が良くなって、そのまま押し切る。

強い人の、強いときの勝ち方そのまま、という感じで、先日の朝日杯で藤井聡太七段に完敗したのはなんだったのだろう...?

私は中継ブログで情報を追いかけていましたが、とうとう「渡辺棋王が不利」の文言を見ることなく、シリーズが閉幕しました。

久保王将が不振だったというわけでもないだろうに、だからこそ、渡辺棋王の強さが際立っています。

渡辺明二冠、最年長タイトル保持者になる

渡辺二冠はこの2018年度、JT杯優勝、A級復帰、朝日杯準優勝に続いて、王将奪取。

防衛する立場の第44期棋王戦五番勝負も、挑戦者の広瀬章人竜王を相手に、すでに2連勝でカド番に追い込んでいます。

とはいえ、今をときめく広瀬竜王ですから、ここから怒涛の大逆転を食らう可能性も無きにしもあらず。

ですが、仮にそうなったとしても、王将に復位したことで、20歳で竜王を獲得して以来のタイトル保持記録が途切れる可能性がなくなりました。

また、久保王将が無冠の九段となったことで、タイトル保持者から40代以上の棋士がいなくなり、渡辺二冠(34歳)がタイトル保持者の最年長棋士となっています。

二冠王を守るための棋王防衛戦

2017年度の大不振から立ち直り、約1年2ヶ月ぶりに二冠王に復帰した渡辺二冠ですが、先述の通り、まだ棋王防衛戦は終わっていません。

渡辺棋王が一気に防衛を決めるのか、広瀬竜王が1勝を返すのか。

注目の第3局は、3月10日()に行われます。

渡辺二冠が圧倒的に有利な状況とはいえ、二冠王のまま2018年度を終えられるかどうかは、まだ確定していないのです。

余談

渡辺明二冠が監修を務める漫画『宗桂 ~飛翔の譜~』の単行本1巻が、3月13日(水)に発売されます。

そして渡辺二冠はその翌日に、第77期B級1組順位戦最終局(vs 斎藤慎太郎王座)が控えています。

つまり、棋王防衛(3/10)→宗桂(3/13)→B1全勝(3/14)と、攻めがつながれば、この上なく味のよい手順、ということになります。

昨年は、将棋の渡辺くん(3)の発売とほぼ時を同じくして、A級から落ちていますからね...。

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